去年SiNGOはニューヨークに渡り、ボーカリストChino PonsのバンドGrupo Irekにゲスト参加し
Manhattan,Brooklynにてライブパフォーマンスを実現した。
その後Chinoは見事初来日を果たし、SiNGOのユニットと共に
東京、横浜にて素晴らしいパフォーマンスを披露した。
そんな彼のファーストアルバムが遂にリリース
Chino Ponsはキューバで生まれ、他のキューバ人と同様にリズムの中で育った。
しかし突如、若くしてアメリカへと渡った彼は、サルサの中心、ニューヨークでボーカリストとしてのキャリアを積みあげてゆく。
そんな彼の作品なのだから、これはありふれたキューバ音楽ではないのだ。
革命前からの伝統的なキューバ音楽、
アナログレコード全盛の時代を彷彿とさせるSONをベースとしながらも、
遠くニューヨークでの暮らしと共に、再構築され、再解釈されていった、オリジナリティあふれるサウンド。
ニューヨークサルサではないし、かといってキューバの典型的なボレロやソンとも違う。
ニューヨークラテンのキューバ人によるセルフカバーというべきか。
あるいは、NYサルサ黎明期の別シナリオ、と呼ぶべきか。
そんな、ちょっとオリエンタルな香りのするサウンドが、NYのSOBsなどの誰もが知るサルサクラブのステージで絶妙にフィットし、輝きを放っていた。
Mueve Despacitoは、彼の中で大切に育まれた、2014年のキューバなのかもしれない。
Mueve Despacito
by Chino Pons & Grupo Irek
© Copyright - Guanabacoa Records