2019年3月22日金曜日

El arte no sabe fronteras



最近はSergio Jimenezのジャズのグループの一員として、
 キューバのジャズの中心地Jazz cafeや La zorra y cuervoにて演奏しています。
今週はジャズのアドリブのコンクールがあり、
このグループが出場者の演奏サポートをしており、 毎日La zorraに通い詰めています。

 最近、興味深い出来事がありました。
出場者の一人が、ラテンの課題曲の伴奏を、その場にいたピアニストに頼み始め、
すると、同じ課題曲を演奏する出場者たちが、それに続けとばかりに、
そのピアニストに依頼する始末。
まあ、大切なコンクールでアジア人にラテンの伴奏を任せたくない、
という気持ちも分からなくもない。
しかし、そういった悪意のない感覚から、人種差別というものは発生するのだ。
という典型例。
若き出場者たちは、外見に惑わされるべきではないが、
判断できる耳を持っているかも含め実力のうちだろう、
とその日の私は傍観を決めていました。

しかし最終日になり、審査員ら数人から、 
「SiNGOは音楽ラテンの全てを理解しているスペシャリストなのだから当然彼が弾くべきだ」 「SiNGOは私たちのファミリーだ。」
という声が上がり、拍手が沸き起こった。
少なくとも審査員たちは私の演奏を、外見とは切り離して理解してくれていたようで、
 一安心というか、大人げなく単純に嬉しかった。

今回の主役は出場者たち影に徹していようと心がけていたが、
私がスポットを浴びてしまった。
なんともキューバ的なコンクールでした。